【体験談】35歳で社会福祉士の教員に転職

社会福祉士の教員への転職の画像

30代の転職体験談、今回紹介させていただくのは少し特殊な職業、社会福祉士を養成する教員へと30代で転職をされた都内在住の現在37歳の男性Oさんの体験談です。

Oさんのプロフィールを簡単に紹介すると…

Oさんは大学を卒業後、一般の企業に就職をして営業の仕事をしていたのですが、営業の仕事が向いていなかったために退職。転職活動をしている中で、たまたま見かけた高齢者施設の相談員募集の求人に応募をして、相談員として勤務することに。

相談員として高齢者施設で働いていたのですが、福祉の仕事をしていく内に自信を持ち始め、社会福祉士を目指している学生に自ら教員となって教えたいと思い始められたのです。

ただ、教員になるには資格や勤務経験などの条件があったのですが、Oさんは社会福祉士の教員になるまでにどのようなことををしたのでしょうか?

では、Oさんの社会福祉士の教員への転職体験談を紹介してみます。

 

大学を出てからの私のプロフィール

スーツを着て不安そうにする男性

北海道から東京の大学に通うために上京し、大学は外国語を専攻していたのですが就職をしたのはオフィスの備品を販売する会社でした。オフィスの備品を販売している会社としては有名な会社で、私が配属されたのは営業職でした。

特に営業職が好きとというわけでもなく、なんとなく大学時代の周りに流されてとりあえず就職をしたという感じだったので、仕事にあまりやる気が出ずもっと好きな仕事があるはずと思い、就職をして2年ほどで退職してしまいました。

実家は北海道なので、東京で一人暮らしをしていたこともあり生活のために退職後すぐに転職活動を行ったのですが、何社か受けた中で採用していただけたのは梱包資材の会社でした。その会社で配属されたのは、また営業職だったのですが生活のことと父が定年退職をしたということもあって、4年ほど頑張って苦手な営業の仕事をしていました。

自分なりに頑張ってはいたのですが、営業の仕事が苦手という意識が抜けず4年で退職をして派遣の仕事をしながら生活をしていました。

大学を卒業してから20代後半までの私の職歴はこのような感じです。

転機となった3度目の転職

転職を機に仕事への喜びを感じる男性

20代後半までにすでに1回転職をしているのですが転職先も4年で退職してしまい、やりたいと思えるような仕事に出会えるのか?このまま派遣で一生働き続けるのか?という不安の中、派遣の仕事をしつつも新たな転職先は探していました。

派遣の仕事が終わって、いつものようになんとなく転職サイトを見ていた時なのですが、たまたま目に止まった求人広告があったのです、それが高齢者施設の相談員募集の求人だったのです。

今思うと、私の実家の周りには年寄りが多く、近所のおばあちゃんおじいちゃんとよく話をしたり、年寄りの集まりにたまに顔を出したりもして若い頃は可愛がられていました。もともと年配の方の話を聞いたりするのが好きだったので、この相談員の求人に自然と目が止まったんだと思います。

それで、高齢者施設の相談員という仕事がどういう仕事なのかもわからないのに興味が湧いてきて、「何だか分かんないけど受けてみるか」と軽い気持ちで受けたところ、なぜか採用されたのです。(笑

採用後に働きはじめてから採用担当者に、「なぜ採用になったのですか?」と聞いてみたところ、採用担当者だった上司が言うには、「無垢なところに無限の可能性を感じた。」と言っていましたが、実際のところは「有資格の経験者より賃金が安く抑えられるから」が本当の理由ではないかと睨んでいます(笑

この高齢者施設での相談員という仕事への転職が、これからの私にとっての転機となったのです。

高齢者施設の相談員という仕事。

高齢者施設での仕事

高齢者施設での相談員と聞いても、どういった仕事なのかというのが一般の方からするとあまりわからないと思うのですが主な仕事内容はというと…

高齢者施設の入居者の方やご家族の方の生活をしていく上での悩みの相談を受けたり、施設での行事などを実施したり入居者それぞれの介護計画書を作成するというのが主な仕事です。

もともと世話好きであり、人から相談を持ちかけられやすいタイプだったので、今思うと相談員と言う仕事が自分の性格に合っていたのだと思います。相談員として働き始めた時はもう20代後半だったのですが、入所しているお年寄りの方からも孫のような感じで接していただいてましたね。

相談員の仕事が自分の性に合っていたのもあり仕事にやりがいを感じはじめ、それまでの営業の仕事をしていた頃のダメさ加減が嘘のように仕事が評価されるようになりました。そこで自信がつき、「この社会福祉士の分野に足を地に付けて頑張ろう!」と決意しました。

仕事をしながらいくつか福祉関係の資格も取得して、福祉の仕事がライフワークになりました。

社会福祉士の教員を目指して30代で4度目の転職

社会福祉士の教員を目指す男性

私が勤務していた高齢者施設には、大学や専門学校などの学生が定期的に実習に来ることが多く、彼らに実習を兼ねて指導を行っている中で、「自分が唯一自信を持てた福祉と言う仕事をもっと多くの人に教えたい」と思い、福祉の学校の教員になりたくなりました。ちょうど30歳になろうかという頃でした。

教員の資格要件を調べてみると、「社会福祉士の資格を取得後、5年の実務経験が必要」と書いてあったので、福祉の仕事を続けようと決心していた私は何の迷いもなく、まずは通信教育で社会福祉士養成講座を受講して受験資格を取得することにしました。

仕事をしながら勤務後に勉強をして、わからないことがあれば施設の上司などに教えていただき合格率30パーセント未満と言われていた社会福祉士を一発で合格することができました。この社会福祉士の試験に合格したことも、営業マンをしていた頃の自分だったら考えられないことでしたね(笑

無事に社会福祉士の資格を取得したあと、教員になる資格を得るためには5年間の実務経験が必要だったので、5年間経過するのを楽しみに同じ高齢者施設で仕事を続けました。

無事に5年経過後、満を持してある専門学校の教員採用試験を受けたものの、私の過去の転職回数の多さを責められるだけで、志望理由や何を教えたいのかに触れられることなく面接が終了してしまいました。

あまりにも頭にきて、合否が出る前に辞退しました。「7年も追い続けた夢はこんなものだったのか」と諦めてしばらく夢を放置。半年後にもう一度チャレンジしようと考えたものの、どこも募集がありませんでした。

このまま高齢者施設で働き続けても良いかもと思っていたのですが、頑張って社会福祉士の資格を取得したこと、5年間待ち続けたことを思い出し、やはり教員になろうと決心しました。

教員の募集はなかなか見つからなかったのですが、以前よく実習生を受け入れていた専門学校に教員の募集をしていないか訪ねてみたところ、「今のところは募集していません」と言われましたが、「いつでもよいので欠員ができた時にご連絡ください」と書き添えて、履歴書などを送ってみました。

すると一週間後に専門学校から連絡があり、面接をしていただけることになりました。当時実習巡回を担当していた教員の方が面接官の一人だったことから、「あの時はどうも」とフランクな話になり、終始和やかに面接が終了。私が働いていた時の姿勢や生徒達に教えていた時の様子が認められて、晴れて念願の福祉の学校の教員になる内定をいただけたのです。

この時は既に35歳になっていたのですが、長年働いていた高齢者施設を退職するというのは寂しかったのと、この歳で転職をして大丈夫なのか?という不安もあったのですが、夢だった教員になることに迷いはなく内定をいただいた専門学校の教員に転職することに。

私自身4度目の転職だったのですが、営業の仕事をしていた頃の転職とは気持ちが全く違い、小さいけれども教員になるという夢が叶うという事に、いい歳をしたオッサンがワクワクしていたのを今でも覚えています。

社会福祉士の教員に転職したその後

社会福祉の教員に転職したその後

社会福祉士を養成する学科の教員に30代で転職しましたが、授業を担当する二週間前に教科書が渡され、科目を教えることなど初めてだったので、何をどうしてよいのか分かりませんでした。

ふと、「自分が教科書を読んでみて、分からないことが学生たちもわからないこと」と言うことに気づき、高齢者施設で得た経験と知識をもとに丁寧な説明と映像などを使った分かりやすい授業を行ったところ学生には好評で、毎年行われる授業評価では高いポイントを付けてもらっています。

同じ専門学校で働いている他の教員の方は「教育者としての威厳」を大切にしていましたが、私は「教員自身が生徒から思っているほど偉くは思われていない」と思っていたので、威厳など最初から放棄して、学生たちとフランクに付き合っていました。まあ、それをよしと思わない教員もいましたね。

あからさまに「30代半ばで転職をしてきて何が出来るんだ。」みたいな態度をとる年下の教員もいましたが、生徒達には高齢者施設で教えていた頃のように、身近に親身になって教えることを続けていました。

おかげで学生からはよく慕われましたが、威厳第一主義の上司からはよく睨まれました。一時、「なんでこんなに上司と合わないのだろう」と悩みましたが、最近では青春ドラマを見て、「学生に好かれる先生が、校長や副校長に目を付けられるのは仕方がない」と、学校からの低評価に納得しています(笑)

もちろん今でも教員を続けており、社会福祉専門学校の教員になって3年が経過しました。その間に結婚をすることもでき、給料面でもまだまだ新米教員ながら高齢者施設で働いていた頃よりも多少ですが、多くいただくことが出来ています。

私の場合30代半ばで今の教員の仕事に転職をしたわけですが、20代の頃は今考えると給料面やラクな会社に転職をしようということばかり考えていたように思います。でも、今自分が目指していた教員の仕事をしてみて、自分が本気で取り組みたいと思った仕事は、残業とかがあったとしても何とも思わないですね。苦痛に感じたりもしないです。

なのでこの歳になって初めて、自分の性に合った仕事をするというのは、本当に大事なことだなと自分の経験をもって感じました。

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