【体験談】都内の美容師が郊外の美容室に転職したら…

美容師をしていたの画像

華やかそうに見える職業の一つでもある美容師。少し前にはファッション誌やテレビなどでもカリスマ美容師と言われる人たちがよく出ていましたよね。

美容師さんって確かに華のある職業なんですが、一般の方からすれば美容師さんの裏側がどうなってるのかって、友人や知人に美容師がいないと専門職なのであまり知ることってないですよね。

今回紹介する転職体験談は、31歳の男性の美容師Oさんの転職体験談です。

Oさんのプロフィールを簡単に紹介すると、

Oさんは都内在住の美容師で独身、美容師のテレビドラマを見て憧れ専門学校に入って美容師になったのですが、現実はテレビドラマと同じようにはいかなかったのです。ドラマのような美容師になれると思っていたのに…悩んだ末に転職を考えるのですが…

では美容師の男性Oさんの転職体験談を紹介します。

 

憧れていた美容師になったけど、思っていたよりも給料が…

客の髪を洗う美容師の画像

誰にでも、夢を見つけるきっかけってあると思うんです。その夢を見つけた瞬間って、そ夢が叶った自分を想像して急に目の前がキラキラと輝き始めますよね。

高校生だった自分の場合、見つけた夢は美容師でした。きっかけは単純で、キムタクが美容師役で出演していたドラマです。当時高校生だった僕は、やりたいことが見つけれず周りの友人たちは当たり前のように、大学へ進学を決めて受験勉強をしていく中、僕もとりあえず大学には行っておこうと思い予備校にも通って他のですが、進路に迷っていました。

そんな時にたまたま、キムタクが美容師役で出演していたドラマを見かけたのです。「ああ。かっこいい…こんな華やかな仕事が出来たら楽しいしモテるだろうな…」と、ドラマを見ながら自分がキムタクになったかのように妄想をしました。(笑

「これだ!これしかない!」と思いました。当時このドラマの影響でカリスマ美容師が大流行し、このドラマを見て美容師に憧れた人も多いのではないでしょうか。恥ずかしながら自分もその一人ですww

ファッションにも興味がありオシャレな仕事がしたい!と思っていたミーハーな当時の自分には美容師という職業が夢のような職業に感じられたのです。

「美容師は給料が安い。」と親に何度も言われましたが当時は高校生です。給料の基準なんてあまりわかりません。安月給でも夢のためなら頑張れる!と親を説得してすぐに進路希望を先生に出し、高校卒業後に美容専門学校に進学しました。

美容専門学校に行くと見るもの全てが新鮮でした。全てのものが輝いて見えて、ワクワクしました。高校とは違って、授業もとても楽しくて美容専門学校の生活はあっという間でした。

順調に美容師の国家資格を取得し、面接を受け都内にある美容室に就職しました。同時に楽しみにしていた一人暮らしもスタートしました。

ここまでは順風満帆で、自分がドラマを見て憧れていた通りに進んでいきました。けど…就職して数ヶ月後、思い描いていた華やかな世界と現実は違うものなんだと知ることになるのです。

国家資格を取得して無事に就職できたからといって、いきなりお客様の髪を切るということはなく、まずはアシスタントからのスタートになります。アシスタントから始まるということはもちろん分かっていました。

アシスタントは髪の毛を切ることは出来ません。営業時間中はほとんどと言っていいほどお客様のシャンプーばかり。シャンプーマシーンですね。(笑)

そして店内の掃除。営業時間が終わってからの練習は苦じゃなかったのですが、いつも家に帰るのは0時を過ぎていました。

何よりも現実を考えさせられたのが給料です。こんなに拘束時間が長いのにもらえる給料は家賃でほとんどなくなっていました。時には親の助けを求めたこともあります。そうでもしないと生活が出来ませんでした。分ってはいたものの、「自分の考えが甘すぎた…」ということが痛いほどわかりました。

それでもまだスタイリストになれば、給料も上がるし拘束時間も減り今よりも楽しくなるはずだと、2年間アシスタントとして頑張りました。そしてついにスタイリストになることが出来たのです。といっても最初はジュニアアシスタントと言って、子供やメンズのカットをたまに任せられる程度。給料は上がったもののアシスタントに毛が生えたぐらいでした。

美容師から一般企業への転職を考える。

このまま美容師を続けるか悩む男性

親や周りからの応援もあって、なんとか踏ん張る事が出来て、ジュニアアシスタントからスタイリストになったのですが、更に忙しくなりました。

営業後、休日の講習会への参加やイベントへの参加。もちろん勉強することやイベントは楽しかったですが、スタイリストは指名客と店販を売った数で主に給料が決まります。自分はなかなか思うように行かず、売り上げ目標にも届くことが出来ず給料が思うように上がりませんでした。

スタイリストになって4年、このままここで働いていていいのか…?と思うようになり、「今なら美容師以外の道でも間に合うかも…」と夢だった美容師から他の職業への転職を何度も何度も考え、実際に一般企業の営業職の面接を受けに行って内定をもらったこともありました。

悩みに悩んだのですが、卒業した美容専門学校に用事があり訪れた時に、「今授業を受けている生徒達が憧れている仕事を自分が出来ているということだけでも幸せなんじゃないか?」と思うようになり、美容師を続けることを決めました。

ただ、今働いている美容室のままでは生活のためだけに働いているようなものだったので、別の美容室に転職することにしました。前回は都内に何店舗もある美容室だったのですが、美容師という職業のキラキラした部分ばかりを追いかけるのはやめて、もっとお客様と距離の近い所で働きたいと思い、地域密着型のアットホームな美容室に転職することにしました。

大きい美容室だと自分より先輩のスタイリストがたくさんいるため、なかなか指名をもらうことが出来ません。地域密着型の美容室ならスタイリストも少なく、お客様との距離も近かったのです。ここだったら美容師としての本来の仕事が出来るのではないかと思いました。それと、前の美容室よりも給料が少し良く、家賃も安かったのでただ生活のために仕事をしているという状況からも抜け出せるのではないかと思ったのです。

しかし地域密着型の美容室にも穴がありました。大手の美容室は都内や人通りが多い場所にお店があるため新規のお客様が多いのに比べ、地域密着型のサロンは都内から何駅か離れた場所にあるため地元のお客様ばかりだったのです。当然地元のお客様は長年そこに通っていて、スタイリストも決まっています。都内に比べ、年齢層も高いです。そうそうスタイリストを変えてくれません。

それでも、アットホームな環境に慣れてしまい暫くそこで働いていました。

暫く働いていると、少しずつ指名してくれるお客様も増え以前の職場より給料も良かったのですが、同世代の男性がもらう年収よりも自分の年収が低いことには気付いていました。これから自分は結婚もしたいし、家族を養っていかなくてはいけない。そのために今の給料ではやっていけないなと思いました。

生活のために仕事をしているという感覚はなかったのですが、アットホームなサロンでの仕事がマンネリ化していき、全く刺激のない仕事になっていました。今の美容室では自分がダメになってしまうと思い退職することを決意しました。

やりがいを求めて委託の美容院に転職することを決意。

委託サロンに転職した男性

前回転職した時と違って、今回は次もまた美容師をするという事は自分の中で決まっていました。

条件面で望んだのは今よりも給料が増えて同年代の人たちと同じような年収にしたいというのが希望でした。もちろんそんな都合のいいお店はなかなか見つからないとわかっていながら、探していました。

そんな時に昔一緒に働いていた先輩から転職したと連絡がありました。どんなお店で働いているのか先輩に聞いてみると、委託のサロンだと言うことだったのです。

「委託?どんなお店ですか?」と尋ねると、サロンが場所を貸してくれる業務委託の美容室とのことで、気になって調べてみたら一応美容室に入る形にはなりますが給料形態は全く異なり、固定給はないのです。

ただし、集客はお店側がしてくれます。その代わりお客様を担当してなんぼなので頑張れば頑張るだけ給料が上がります。だいたい売り上げの60〜65%が自分のお給料といった感じです。休みもシフト制で休みたい日に休むことができます。

低料金なので、お客様が新規問わずたくさん来店します。委託なのでアシスタントはおらず、自分一人で最初から最後までお客様を担当します。よくアシスタントに仕上げを頼むとイメージと違ったスタイルにされたことがありました。でも、ここでは全て自分の思うように出来る。

「やった分だけ返ってくる。こっちの方がやりがいがある。」と思いました。

先輩に紹介をしてもらって面接に行くと、長年スタイリストをしていたせいかすぐに採用となり働かせていただくことになりました。

最初の頃は全て一人でお客様を担当することに慣れず、悪戦苦闘しましたが、次第に慣れていき今ではたくさんの指名客がつきました。やはり最初から最後まで一人の担当者が担当することで信頼関係が生まれやすいのだと思います。お客様の担当にできるだけ多く入るため自分の技術時間の速さが求められ、大変な部分もありますが、今では以前の倍近く給料をもらえるようになりました。

比較的時間にも自由があるので、以前よりも仕事でもプライベートでも充実しています。頑張った分だけお給料がもらえる。お金が全てではありませんが、それも自信につながっている部分は確かにあります。

現在30代になってやっと自分の店を持つことができるかも?というのが次第に現実的になってきていて、最初から最後までを自分で担当をする委託での美容師という仕事が将来自分の店を持ったときに役に立つんじゃないかと思っています。

華やかなイメージを持たれる美容師ですが、野球選手やサッカー選手ほどではありませんが、テレビや雑誌に出ている美容師というのはあくまでも一部なのです。

自分の場合は30代でやっと将来が見えてきたかも?という感じですね(笑

2 COMMENTS

まさ

都内で一人暮らしを始めて3週間がたち、遂に都内大手サロンでアシスタントとして働くことになりましまた。
しかし、未だに一人暮らしにならず、地元の安心感に触れられず、友達もいなければ、話す相手もいません。
毎日泣いております。
12万程度の給料でほぼ1日の拘束

内定決まってからそのようなことを初めて開示されかなり焦りました。
地元の友達には我慢できず弱さを見せてしまい
帰っておいでの言葉、頑張れの言葉が苦しくてたまりません。

逃げ道と捉えられるなら仕方がないですが、
もしものために地元か地元近くにまたアシスタントとして転職し働きやすい環境と、少しの時間でも友達と会えたりなどと安心感、働きやすい環境でステップ踏もうかなんて計画も立てたりしました。

どうしたらいいのか、精神がさまよっております。

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瑞樹

私の時は朝の6時に家を出て帰ってくるのは夜の1時。毎日練習があります。
給料はそれで10万。
休みの日は寝てるので外には出ません。
シャンプーも掃除も嫌いではないので良いのですが美容師はそんなもんかと思っていましたのでまささんは甘いかと思います。
だがしかし国家資格の中で美容師が1番低賃金という事実が切ないなぁと苦労の中で思うのです

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